第121章 介護施設の理想と現実②
《 食事介助の時介助する側の都合だと思う。お粥の上に 市側の職員がなんと……薬を上にのせたのだ……
それは『食べなさい』と言われても、口を開ける訳がないと思う。それで介護者がお年寄りを怒るのはありえないでしょう?可哀想で 見ているのも辛かった……
『そのように介助しなさい』
と言われてもとてもじゃない
一度私は家で同じ様に、ご飯の上に風邪薬を粉々にして乗せて 食べようとしたのだけど……もうほんの一欠片も ……米粒一つに 一粒の粉が乗っていても飲み込める代物ではなかった……
私はなるべく初めにご飯を、薬が混ざらない様に薬だけなるべくスプーンに乗せて、口に運んで頂き素早くお茶を飲んでもらって。その後少しでも美味しく食事をしてもらおうと……それを見て
市の介護職員等が睨んで来たりしたのには
(それになぜ慣れてしまっているの?)
と憤りを覚えたのだった……
その様ないくつかの理不尽が介護の現場には
いくつもあった》
《認知症のお年寄りにとって、家から出て一人外歩き回る施設内の廊下を歩き回るにはきちんと意味がある
一日中歩いているおばあさんは
『子供にご飯を作らなければならない』
おじいさんは
『仕事に行かなければならない』
黄昏時と言われる夕方になれば
『子供を迎えに行かなければならない』
『夕飯を作らなければならない』
『家に帰らなければならない』
その人その人の深い理由があるのだ
しかし残念な事に、車椅子に乗って頂き、車椅子の後ろに紐を付けて、廊下の手すりに……いわゆる『拘束』という行為だお腹にベルトを巻いて…… 車椅子から立ち上がれない様に……
なぜそのような事をされるのか? 分からないお年寄り達にとって恐怖でしかないと思う。大声で叫んだり泣いたり 、それでも職員の都合というものが優先されるという現実に
私はとてもショックを受け、私はその行為に慣れてはいけないと言い聞かせながら仕事をしていた
夜間は、ベッドから起きて歩き回る人に対して
両腕に紐を付けてベッドの柵に……
オムツをしていても、排泄の感覚がある人はトイレに行きたい。という思いから一晩中ベッドガタガタ揺らし。いえ外してほしいという当たり前訴えを、紐を外す。という 行為で必死に抵抗していたのだと思う