第91章 傷付くのが怖くて…(るな)
和也「るなちゃんは今まで、人にこれを言ったら悲しむんじゃないか ?これを言ったら傷付けてしまう…だから心にしまって置こう…そうやって自分の想いや感情を抑えて来たんだもんね?」
るな「カズくん…」
和也「それは、 小学校1年の時の事があってから特に…だもんね…」
るな「…」
和也「るなちゃんは、おやつとかおもちゃとか数が足りない時とか 、自分の物を分けてあげたり。自分の事は後回しにしちゃう様な女の子だったよね。まぁ翔ちゃんも一緒だけどさ。俺がクラスの男子と喧嘩して、ずる賢いそいつが俺の方が『あいつが先に手を挙げたんだ』って。 先生がそれを信じて俺を怒ろうとした時に 『カズくんはたたいてないよ』 そう言って庇ってくれたよね。るなちゃんはいつも俺の一番の理解者だった」
るな「カズくん…」
和也「るなちゃんはさ。最近、市の職員達との事があって、凄い頑張ったし。逃げずに自分の想いを言って戦って強くなってってさ。偉いなって思ってたんだよ」
堪え切れずに涙して、ハンカチで目頭を押さえている、るなちゃん
あぁ、抱き締めてあげたいよ…
和也「けどそれは、他の人が苦しめられていたりとかする時にみ見せる、るなちゃんのパワーでさ… 俺に対してな時だけは、相変わらず遠慮のかたまりを発動させるんだもん『余り何でもかんでも話したり連絡をしつこくしたら、迷惑になったりしないかな?って思って…』とか言ってさ」
るな「カズくん…」
和也「俺のせいなのにね。ずっとるなちゃんと翔ちゃん。 二人の優しい女の子に甘えてさ。俺が気持ちをはっきりさせなかったのが悪いんじゃんね。るなちゃん… すげぇ身勝手な事言ってんの分かってんの。るなちゃんが俺の事を考えて、大事な話してくれないのを寂しいって思うし。 迷惑じゃないかな?とか遠慮しちゃうのも寂しいし…でもね…」
るな「相葉先生は『本当の想いを言ってもいいんだよって…何も話してくれない方が、心配するに決まってるでしょ?』って言ったわ…本当にそうだね… 私自身が傷つくのが怖くて、傷付きたくなくて… 私は『人に何も言えない』って事を言い訳にしてたんだ『人に何も言わない事』事で人を傷付ける事だってあるのに…カズくんゴメンなさい」
違うよるなちゃん…