第10章 それぞれの戦い②~潤~
潤side
翔を姉に預け、親から受け継いだ会社経営を
『己の代で潰してなるもんか……』
との反骨心で
『若造が……』
と聞こえてくる中傷に
負けるか!
自分寄りな理由で、時に翔と会える貴重な時間をキャンセルした事もあった
そんな愚かな父なのに
翔『パパ!』
と、いつも笑顔で俺を……
あの日。翔が病院のベッドに横たわり眼を瞑る姿を見た時、こんなにも愛しい翔を失う事があったら……
凄く怖かった
激しく後悔した
翔の努めていた介護施設の嘘
翔の所属会社の対応
諸々の様々な理不尽
泣き寝入りなぞするものか! と誓ったんだ
翔、俺が翔を守ってやるからな