第84章 貴女の悲しみの記憶…胸が痛くて苦しくて…
夏輝「ありがとう…… そのグループの人達に、言葉での暴力とか、物を隠される……いじめられたの…… 次第に周りのクラスメートからも無視されて…… 次の小学校でも その次も……中学でも……」
雅紀「夏輝さん……もう……」
夏輝「 高校に入った時、一人のクラスメイトがいじめの対象になってしまった。私は一緒にいる事を選んだの。リーダー的存在の女子の指示を無視した形になった私もいじめられたわ。けど『ハブにするように』とか。 そんな卑怯な、酷い事をしろ。なんて事、その女子に決められる筋合いは無いもの。 そうでしょ? 相葉くん?」
雅紀「うん……」
夏輝「何で相葉くんが泣いているの?」
雅紀「夏輝さん……だって……」
夏輝「 ありがとう相葉くん ……私の為に泣いてくれて…… 私はその子と友達になったの。 けれど、どんどんエスカレートするいじめに耐えきれなくなって ……自ら命を絶ってしまったの…… 助けてあげる事が出来なかった…… 本当に悲しくて悔しかった。私の様な想いをする子供達がいなくなればいいと…… 辛い想いをしている子供達の声を聞いてあげたいと思った。だからこの仕事を選んだの」
今まで誰も言えず苦しかった事を 、冴多くんは涙しながら聞いてくれて
その温かさに私は救われたの
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夏輝さんの悲しみの記憶
胸が痛くて苦しくて……