第8章 お願い
智side
翔『犬の絵を描いてみて下さいませんか?』
翔ちゃんの不思議な言葉の意味
分かんないなぁ
-コンコン-
智「はぁい」
返事をすると入って来たのは
智「相葉ちゃん」
翔ちゃんは ピアノのある場所、オイラは翔ちゃんの左側の方にあるコの字形のソファーセットの(右側の縦の部分が上になる形で置いてある)翔ちゃんの良く見える上の部分に座り、相葉ちゃんはオイラの左側の床に座って
こんな時、日本人は本当真面目だよね。って思うんだ
雅紀「翔ちゃん、紙芝居の絵は描けた?」
そんな、相葉ちゃんの問い掛けに
プルプルって。悲しそうな表情をして横に首を振った翔ちゃん
あ!
智「犬の絵って? 紙芝居?」
雅紀「翔ちゃんは、物語を作ったは良いけど……ね? 絵がね?」
翔ちゃんは、言葉ではなく微妙な表情で感情を表すんだね?
少しムッとしたのかな? 唇をムっていう様に、一瞬尖らせたのが
(可愛いな)
智「オイラが絵を描くよ?」
今度は、ジッと、大きな瞳でオイラを見つめて?
雅紀「 小児病棟に入院している子供達と、翔ちゃんは 仲良くてね。2月……3月の半ば迄ピアノでの演奏をプレゼントしたり交流してたんだ。けどさ……今はちょっとね。翔ちゃんは絵を描いてくれる人は大ちゃんが良いって思ったんでしょ?」
その不思議な言葉に、見る見る翔ちゃんは瞳を潤ませてさ
智「翔ちゃん?」
翔「凄く、寂しい曲だね……」
あ
智「本当にゴメンね! 翔ちゃん! あの……」
雅紀「違うよ。大ちゃん。翔ちゃんには大ちゃんの素直な感想が心に響いたんだ」
オイラの?
翔ちゃんの
悲しい音
寂しい音
悔しい音
こそが
オイラには聴こえて来たんだ……