第77章 第91話 二人のパパ.二人のパパと二人のママ
その日の夜
リモート中
智.和也.るな「翔ちゃん退院おめでとう!」
翔「ありがとう……」
『退院おめでとう会』を『リモート』でしようね。って話しは出てたんだけどね
取り敢えず難題にメドが着いたから、開催したわけです
智「翔ちゃん? 何かあった?」
なんかね、悲しい? と惑い? 微妙な表情してんの……翔ちゃん
画面越しだとね……中々さ……何を思ってるんだろう? って察してあげる事が出来なくて
もどかしいよね……
るな「カズくん、私と翔ちゃんね。わざわざ自分の部屋に分かれて『リモート退院おめでとう会』に参加してるの。おかしいよね?」
和也「マジ? (笑)」
俺はるなちゃんさすがだね! って思ったんだ
翔ちゃんの様子を見て、突拍子も無い事を言ったんだって
和也「俺なんて気分出してさ。ウイスキーなんて用意しちゃったよ」
るな「うふふ」
智「なんか……一緒とか微妙な気分なんだけど…… オイラもウイスキー 用意しちゃったよ」
翔.るな「アハハ」
そう言うと、笑ってくれた翔ちゃんとるなちゃん
翔「ごめんなさい 。折角、会を開いてくれたのに微妙な感じにしちゃって……あのね……パパにね、生みの親に……母親に逢ってみないか? って言われたの」
智「うん……」
そっか…… 俺と二宮くんは、今回の件があって
翔ちゃんの母親が誰か知ったけど……
翔ちゃんは知らないんだもんね……
翔「中学の時にね、ママが話してくれて。さっきもパパがその時の事を説明してくれて…… 漠然と『いつか逢いたいな』って思ってた人に逢えるんだ……っていう期待と。けど逢いたく無い……って思いが交差して凄く複雑な気分になっちゃったの」
和也「分かるよ……翔ちゃん」
翔ちゃんは、おばちゃんの事を思ってそう思ったんじゃないか……って
智「月乃さん……ママが好きなんだもん。悩むよね」
るな「私も心の中にいるパパが大好きなの。けど、潤叔父さんがパパだったら……って思ったりしてた」
和也「うん……」
るなちゃん……
翔「私には大好きなママがいるのに……心の中にもママがいるの」
翔ちゃん……