第66章 遂に…対峙の時⑦
『7月○○日 雨 入居者皆落ち着かない。外の天気の様に不安定。夜勤に市の職員の〇〇が入った。サービス会社の成田《なりた》さんが体調不良との事。翔ちゃん、るなちゃんの顔を見なくなって半年近く……悲しい。これ以上サービス会社の職員さんが苦しめられない様に神に祈るばかり……急に夜勤に入る事になったのだろう。明らかに不機嫌。いつも以上に……一緒に組んでいる介護サービス会社の長谷川さんが可哀想だ……夜中長谷川さんの仮眠時間。一人で〇〇が見ている。入居者の一人が粗相をしたようだ『早く着替えなさいよ!』と怒鳴り散らす声が……手が不自由人なのだ……『いい加減にしてよ! 入れやすい様に足を上げてってば!』その瞬間、ギャーって叫び声が……朝になり施設長が『ベッドから落ちられた様で』と説明した。心配で様子を見に部屋を訪ねると不自由な右手に数ヶ所つねられた様な痣があった……』
智side
|智《……》
和也『ベッドから落ちた怪我には見えないって……俺達は話してたんだ。長谷川さんは仮眠中で見ていないし。施設長は『夜勤に入っていた向こうの看護師からも『ベッドから落ちた状態でいたから、二人でベッドに上げて処置した』って報告受けてます』ってさ……張本人の職員の説明を鵜呑みにしたんだろうね……』
苦しそうな表情の二宮くん……
和也『おかしい……って施設長にもその職員にも問い正したのに……やっぱりだ……』
クイックイッと吉井さんは左隣の
二宮くんの右腕
制服の袖を引っ張ると
吉井『だか、ら、あ、れ』
美弥子『証拠を映してくれてるはずよ』
そう言って監視カメラを指差したんだ……
和也side
盲点だ……気が付かないとか……バカだ
もし証拠が映ってたら……
これ以上強烈な証拠は無いんじゃないか……って思ったんだ