第66章 遂に…対峙の時⑦
介護施設 見守り室
智side
~~回想~~
吉井「あ、れ」
智.和也「あれ?」
吉井さんが頑張って左腕を伸ばして
指差した先を見ると
智『監視カメラ?』
吉井『う、うつっ、てる』
和也『映ってる?』
瞬間、二宮くんが険しい表情をして……
|小野川《おのがわ》『 先月のはじめに、夜勤に施設の職員が入ったでしょ?』
その時 、デイルームよりも見守り室の方が居心地がいいからと
遊びに来ていた
入居者の小野川さん(女性)が言ったんだ
和也『入りましたね』
和也side
もし…… 俺達 、介護サービスの職員が疑問に思っている事を小野川さんが
話そうとされているのだったら……
これ以上強烈な証拠は無いんじゃないか……
って思ったんだ
智『ねぇ、ゴメン。話に割って入って。翔ちゃんが『夜勤は、内の会社の職員が二人で見ているの。看護は施設の看護師が入って』って言ってたんだけどさ』
和也『元々、俺が入った頃は内の職員と施設の職員に看護師の体制だったけど、向こうさんが業務内容の改善で夜勤体制を変更したんですよ。色々あって内の会社の職員は皆、何かしら体調を崩したりとギリギリな状態や人数で頑張っていた訳。その日夜勤予定の内の職員が体調悪くて入れなくて……施設の職員が入る事になったんだけど……』
智『なるほど……その日に何かが起きたって事?』
吉井『さっ、し、の……い、い、ボ、ウズ……た、ちだ、な』
和也『でも、ゴメンなさい。俺の言い方施設側に対して思う事あるとはいえ、余り良い表現じゃなかったですよね』
小野川『いいのよ。二宮くんの言う事は正しいもの……』
和也『美弥子《みやこ》さん……』
美弥子『私ね、簡単にだけど日記を付けてるのよ』
智『日記?』