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꙳✩進撃の巨人✩꙳【裏短編】R18

第2章 ⚫子犬から狼に変わる時。【エレン】※執筆中






勢い良く開いた扉の方を見ると、いつもの明るい顔とは打って変わった形相のエレンが立っていた。




見えない速さでリヴァイの元まで走ってきたエレンは、バキッと言う痛々しい音を一発あげた。



殴るエレンに、それを避けれなかったリヴァイ。



いや、わざと避けなかったのかもしれない。



頬を殴られたリヴァイは、抵抗しないままその場で俯いている。



「好きな女に無理矢理するとか、あんた最低だな。」



低い声で言い放ち、脱いだジャケットを掛けてくれたエレンに抱き抱えられる。



安心した余り、声にならない声でエレンの腕に泣き縋った。



「リヴァイ…ごめん…ごめんなさい…ッ」



貴方の不器用で真っ直ぐな気持ちに応えられなくて。



いや、違う。



リヴァイは亡くなった兵士達の想いを、生き残った私に重ね合わせていた。



いよいよ自分の同期が一人だけになり、もう失うのが怖いと、そう思ったからだろう。



それが好きと言う感情だけではなく、執着の渦に飲み込まれているのだと、私もリヴァイも何となく分かっていた。



無理に兵士達に取り繕うリヴァイを見ては、いつか壊れるんじゃないかと、胸が傷んだ。



それを解放させる場所が私になるとは思いもしなかった。



でも、私じゃリヴァイを救う事は出来ない。




リヴァイの過去と闇を、私は取り払えない。




長い間ずっと一緒だったから、分かるものがあった。






「もう大丈夫だから。」



気が付くと、私は自室のベッドに座って泣いていた。



隣にはエレンが力強くそう言いながら、私の頭を優しく撫でてくれている。



「エレン…ありがとう…。ごめんね。」



「謝らないで下さいよ。俺が一番大事なのは貴女なんですから。」



ふふっと笑顔で笑うエレンに、自分の心が落ち着いていくのが分かる。



「はぁ、今日はちょっとだけエレンに癒されたかも。」



涙を拭い、笑顔を作る。



「これでちょっとだけですか?!これでも俺、ナナさんが思ってるより結構モテるんですから!」




「それ言ったら全部台無しだよね…ふふっ。」




ハッとするエレンの顔にまた可笑しくなり笑うと、いきなり真面目な顔になったエレンにギュッと抱き締められた。





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