第2章 ⚫子犬から狼に変わる時。【エレン】※執筆中
「おい、こんな青臭いガキのどこがいいんだ…?今から俺の部屋に来い。」
「何言ってんすか兵長、ナナさんが困ってるじゃないですか。大体俺の部屋に来いってそんな…。え……。ええぇ?!行ったことあるのかよナナさん?!」
まただ。またこの状況だ。いつものように食堂前で
同期のリヴァイと後輩のエレンに両腕を引っ張られる。
みんなの視線はとうに慣れた。
「はいはい、もういいから…三人で遊ぼ?面倒臭いし…。」
「…あ?何で俺もお遊びみたいになってんだ。こんなガキと一緒にするんじゃねぇ。」
「そうですよナナさん。僕、ナナさんと二人がいいんだけど?」
「エレン…僕とか言わないでしょ…。可愛子ぶらないの…。」
わざとらしく子犬感を出しているエレンに呆れ顔で突っ込む。
あ、バレちゃいました?と舌を出すエレンに、自然と溜め息が出た。
終いにはリヴァイがキメェとか何とか、エレンに毒を吐いている。
二人共仲良かったのに…。
「あー!!もうっ!……じゃあこうしよう!!今日はリヴァイ、明日はエレン!!これでどう?」
二人を交互に見る。こうでも言わないと、腕が何本あっても足りない。
「……。」
リヴァイは納得していない顔だ。俺様気質のリヴァイの嫉妬は最大級並だ。今日は絶対に引きそうにないと思った私は、後が怖いリヴァイを順番的に先にした。
「俺は別にいーっスよ。兵長みたいに頑固じゃ無いんで。」
フンっと鼻で笑うエレンだが、これも本心では無いだろう。
自分は兵長より大人だとアピールしているようだが、エレンの同期達曰く見えない所でかなり顔に出ているらしい。
"二人の気持ちを知っているのに弄んでいる"
数人からそう言われた事もあったが、かなり前に二人の気持ちには応えられない、とスッパリ断っていた。
それでも好きにさせてみせる、俺が一緒に居たいからと、両方から同じ事を言われたものだから、どうする事も出来ず未だこんな状況が続いている。
「チッ…仕方ねぇ。お前が言うならその条件で飲んでやる。あぁ、すまないエレン。今日は俺だったな、行くぞナナ。」