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短編集 【進撃の巨人/ハンジ・ゾエ】

第9章 好きの形【分隊長ハンジさん・R18】





「はぁ・・・っ
ごめ、なさ・・・あぁ・・・・・・もっ」


ポタポタと涙が頬を伝い
ハンジの顔を濡らした。


「好き・・・・・・!ハンジさん、好きっ、大好き・・・!
やだ、だめっ、もっイッちゃ、」


これ以上は駄目だ。
本当に起きてしまう。


分かっているのに、止めなくてはいけないのに
指も声も涙も止まらなかった。


「あ・・・・・・っ、んんんっ! 」


身体がビクビクと震えた時、
ゆっくり開かれたハンジの瞳と目が合った。


「あぁ・・・・・・」

「何してるの」


ハンジの眉は怪訝そうに寄せられている。


終わった。
気持ち悪いと思われたに違いない。
きっともうこの人の傍にはいられない。



自然と涙が次々に溢れ出し
雫がハンジの胸元に落ちていく。


「泣いてるの?」


ハンジの手がそっと頬に触れた。
なんでこの人はこんなに優しいんだろう。
気持ちに応えてくれない癖に。


残酷だ。
いっその事バッサリ捨てて欲しい。
涙も嗚咽も止まらない。



「うっ・・・優しく、しないで・・・っ、」

「なまえ・・・・・・」

「私っ、本当に、好きなの・・・・・・!
なのに、ハンジさんは全然、
その気がないなら優しくなんてしないでよ・・・っ」


ハンジは悲しそうに眉を寄せると
自身のはだけた寝巻きを一瞥した。


「それでこんなことを?」


ハンジは自身の寝巻きの袖を掴み
なまえの涙をゴシゴシ拭う。
乱暴な手つきとは裏腹に
その表情はとても優しい。


「バカだなぁ」


苦笑するとそのままなまえを抱きしめた。

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