第5章 初めて【科学教師のハンジさん・R18】
「なまえってさ、処女だよね?」
「ぶっ! き、急に何言ってるんですか!」
なまえは飲んでいた紅茶を盛大に吹き出した。
あーあと言いながらハンジはそれをタオルで拭く。
吹き出したのは誰のせいだと思っているんだろうか。
ここはハンジが住んでいるマンションだ。
想いが通じ合ったとはいえ教師と生徒という関係であるふたりは人目を忍ばざるを得ず、こうして毎週休みの日にはハンジの自室で一緒に過ごしていた。
「まぁ高校生だもんね。
そりゃそうか」
「い、今はないですけど・・・・・・」
「“ 前”はあったんだね?」
ニヤリとハンジはなまえの顔を覗き込む。
「うっ、そりゃ・・・あの頃は私も大人でしたから。それなりに」
なぜ自分の性事情を暴露しなければならないのか。
なまえは恥ずかしさから頬を紅く染め始める。
「へー!兵団の誰かとか?」
面白そうに笑うその表情は
研修対象に向ける表情と同じだ。
絶対に面白がっている。
そんなことあるわけないのに。
私が調査兵団に入団しハンジ班に所属してからずっとハンジさんのことが好きだったのはこの人も知っているはずだ。
「もうこの話やめませんか・・・・・・」
とうとうなまえは顔を手で覆った。
「えー」
ハンジは唇を尖らせる。
「ハンジさんこそ、どうなんですか?」
そう言うとハンジの表情が固くなる。
「あー・・・・・・ごめん。
今も昔もあるんだよね」
どうしても男の身体に興味があって・・・・・・
と今度はハンジの方がバツの悪そうに頭を掻く。