第3章 好きです、ハンジ先生!【科学教師のハンジさん/転生】
あの残酷な世界では
巨人の脅威の他にも私たちを遮るものがあった。
それは、
私たちが同性だったことさ。
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私は平和な世界に転生した。
物心付き、前世の記憶を取り戻した時は
やるせない気持ちになった。
「なんで私だけがここに居るんだろう」
何度も死地を駆け抜けた仲間も
自分が死なせてきた部下達もここには居ない。
そしてかつての想い人も。
みんなはどうなったんだろう・・・
そして私も。
あの壁の中の世界や
巨人がいる壁の外へ挑み続ける調査兵団のこと
そして、仲間や愛する人なまえが死んでいく姿は鮮明に思い出せても自分の死にざまと物語の結末だけはどうしても思い出せなかった。
皮肉なのはあの世界で死ぬほど求めた男の身体が今の私にはあるってことだ。