第19章 celebrate you!【団長ハンジさん】
ブーケは紙袋に入れられ、一見してただ買い物をしてきただけのように見える。
ほのかに香る花の甘い匂いが心無しか穏やかな気持ちにさせてくれた。
壁の外の真実を知った今、
こんなにも心弾ませることも無かった。
誰かに物を贈ることがこんなにも心を満たしてくれるなんて。
物品よりも行動で示してきたつもりだがたまにはこうして贈り物をするのも悪くない。
早く、君に会いたい。
この先何が起こるとしても、
もしかしたら沢山のものを失うかもしれない。
それでも、
君だけは絶対に私の腕の中に。
なんて、
君に言ったら笑われるし呆れられるかもしれないけど。
私からは絶対にこの手を離すことはない。
不確かな未来の中でこれだけは確かだと言える。
これを愛だと言うのなら、
少し綺麗事過ぎるかもしれない。
それでも私は、
これを愛という以外の言葉で表現する術を知らない。
君のことを愛している。
最愛の君へ
これからも愛をこめて。