第14章 ちっちゃくなっちゃった!?【分隊長ハンジさん】
ゆっくりと扉を閉めると
彼女が寝ているはずのソファーに目をやる。
静まり返った室内。
まだ眠っているようだ。
物音を立てぬようソファーに近づきなまえの姿を探す。
小さな身体を視界に入れるには時間がかかると思ったが
案外彼女の姿は早く見つけられた。
大きくなっている。
いや、
「元に戻ってる!」
「ん・・・」
シャツ一枚しか身に纏っていないため
かなり際どいが正真正銘大人の身体だ。
「なまえ・・・っ、元に戻ったんだねえ!」
起こしてしまう、とかそんなことを考える前に抱き着いていた。
「う・・・なに、ハンジさん・・・?」
「なまえ!よかった!!」
当のなまえは訳が分からないという顔をしている。
それすら何だか愛しくてさらに強く彼女を抱きしめた。
感触も匂いも全ていつものなまえだ。
「ハンジさんくるし・・・、いったい何が・・・。
というかなんで私はこんな格好で執務室に」
「何も覚えてないの?」
「んー、何かいい夢を見ていたような気がします」
少し抱きしめる力を弱めるとソファーに座り
なまえを膝の上に座らせた。
自分の格好と体勢が恥ずかしいのかなまえの頬がほんのりと赤く染まる。
先程の積極的な子供ととても同一人物とは思えない。
子供だったけど積極的で可愛かったな・・・
「ねえなまえ」
体勢的に彼女を見上げ名前を呼ぶと不思議そうに首を傾げる。
「キスして?」
「えっ」
「なまえからして欲しくて」
だめかな?と困ったように笑いかけおねだりすると
耳まで真っ赤に染めながら眼鏡に手をかけてくる。
そっと外されるとソファーが重みで軋む音がした。
「・・・目、閉じてください」
「はーい」
そっと控えめに柔らかな唇が触れる。
すぐに離れようとするなまえを引き寄せ包み込んだ。
この感覚が何だかとても久しぶりに感じられる。
もう一度唇の感触を味わうように口づけると
そっと彼女を組み敷いた。
「ごめん、我慢できないかも・・・」
さっきから胸当たってるんだもんと言うと
今度こそ湯気が出るんじゃないかってくらい真っ赤になっている。
そんな彼女の瞳を真っ直ぐ見つめた。
「愛してるよ。」