第2章 不足【分隊長ハンジさん・R18】
「なまえ、明日は休みだよね?」
二人きりとなり静かになった室内でハンジが後片付けをしながら尋ねてくる。
「はい、そうですけど」
「じゃあ私の部屋に泊まりにおいでよ」
「は?」
「お互い忙しくてなかなか会えなかったでしょ?
もうなまえ不足でさ~
今夜はずっとなまえと一緒に過ごしたいんだよね」
なぜこんな台詞が自然と出てくるのだろうか。
もうすぐ片付くからちょっと待ってね。というハンジはなまえが肯定の返事をすると信じて疑わない様子だ。
「私も明日は休みなんだ」
そう言って微笑むハンジはおまたせとなまえの手をとる。
「あれ、なまえ・・・?」
なにか様子がおかしい。
俯きこちらを見ようとしないなまえの顔をハンジが覗き込む。
なまえの顔は耳まで真っ赤である。
「もしかして照れてるの?」
なまえの顔を見つめるハンジの笑顔は緩んでいる。
「ハンジさんがずるい台詞ばっかり言うからです.....」
なまえの顔は恥ずかしさからか更に紅く染まり目にはうっすらと涙が浮かんでいる。
「なまえ・・・その顔は反則だよ」
ハンジは執務室を速やかに退室すると
なまえの手をとったまま兵舎の廊下を自室へと進んだ。