第8章 嘘
「翔ちゃん。…俺からニノ取ったくせにヘタレてんなよ!!」
「…うん…ありがとう。相葉ちゃん」
相葉ちゃんはニカッと笑って
カズを自分から引き剥がして
翔くんの方を向かせた。
「ほら、翔ちゃん。ニノ、別れるってよ?もっかい告白しなきゃ!!」
「えっ…ここで!!?」
「あぁ…それはニノが決めればいいんじゃん?」
「ここが良い。」
「かずー…」
「なに」
「……いえ…」
「よし!!翔くん頑張れ!告白だっ!!」
「さとっさぁん…」
もうこの時点でみんな楽しんでる…!
まぁ…愛の告白を目の前で
見れるんだから、貴重だよなぁ。
俺も楽しくなってきたー。
翔くんはヘタレて泣きそうだけど(笑)
「はいはい、ニノ!ちゃんと向かい合って!」
「ほら翔くんも!」
ソファーで向かい合って座った2人。
…を、気持ち、離れて
横で見てる俺達3人。
「和、……」
「…………」
「…あの、…」
「…………」
「…………」
「…なに、翔くん。」
翔くん。
カズはいつも翔ちゃんって呼ぶ。
それは付き合い出してからだった。
相葉ちゃんのを真似しただけだけど
カズが翔くんって言ってると
なんか…他人行儀に聞こえた。
「っまずは、…嘘をついたこと…ごめんなさい…!」
「………」
「次に…1年記念日……大事な日なのに、…ほんとにごめん…!!」
「………」
「…か、ず……?」
「…それは、分かった。」
「あ、…うん……」
「……終わり?」
「いやっ!待って…!」