第6章 素敵なわがまま
「お疲れ様でした!今日はみなさんこれで上がりです」
「え、俺も帰っていいの?」
「あ、二宮くん、撮影延期になりました。雨で」
「そうなんだ。雨すごいの?」
「結構、すごいですよ。送りますね。」
「うん、ありがと」
嵐での仕事のあと、
撮影が入っていた二宮は
それがなくなったと知り、
ゆっくり帰り支度を始めた。
「こんな早く終わるの久しぶり?」
「そうだねー。最近は」
「ゆっくりしろよ、飲み過ぎないで」
「飲まないよ~」
「じゃ、ゲームしてないで寝ろよ!」
「分かってるよ~潤くん敏腕マネージャーみたい」
「心配なんだよ、お前顔眠そうだし」
「まじ…?昨日は寝たんだけどなぁ…」
今日の二宮の表情は、多分
テレビで見る人も気付くくらい
目が眠そうで顔が違うだろう。
松本はそれに気付いて心配していた。
「じゃ、おつかれ~」
「「「「バイバ~イ」」」」
二宮に釘を指すと、松本は
さっさと帰っていった。
松本は予定通りの上がり時間だ。
約束でもあるのだろう。
「俺も帰ろ~…」
「かず…」
「…ん?なにリーダー」
「…一緒に行っていい?」
「だめ。今日はちゃんとゆっくりするの。今の話聞いてた?」
「聞いてたけど…だめ?」
「だめだって言ってんだろ。」
「…やだ!やだやだやだ!!」
「なに!なんなの…」
「俺は!!かずと一緒にいたいのっ…!!疲れた日こそ一緒にいたいの!!だって恋人ってそういう…」
「待って!!…2人いるの気付いてます?あなた」
「リーダーあまえんぼ!ひゃひゃひゃ!!」
「珍しいなぁ、智くん」
「………///」
「…ねえ…行ってもいい…?」
「…分かったよ…いいよ」
「ほんと?ほんと?」
「ん、ほんと」
「やった…ふふふ…」
「…ふふ…」
大野は二宮に我が儘を言い、
許可をもらうとぱあっと
表情を明るくさせ、笑った。
嫌だと始めこそ拒んだ二宮も
この笑顔を見ると微笑んでしまうらしい。
「帰るよ。」
「うん♪バイバイ、2人とも」
「バイバイ♪良かったねぇリーダー♪」
「バイバーイ。にの、ほんとゆっくりしなよ」
「ありがと、翔ちゃん。バイバイ」