• テキストサイズ

短編集 AN【気象系BL】

第8章 だんまり



>>side:Sakurai

「にのー。ねぇーってば」
「………」
「にーのちゃーん…」
「………」

バラエティー番組の終わりの楽屋。

にのと相葉ちゃんが…っていうか
相葉ちゃんが?にのに
呼び掛けるんだけど無視されて。

にのはじーっと一点を見つめてる。
楽屋に入ってきてからずっと。

俺らは…それをずっと傍観してる。

「にの?どした?しんどい?」

にのの隣に座っている智くんが
話し掛けたら、無言で首を振る。
相葉ちゃん以外の言葉には
ちゃんと反応するんだ。

「にのー…帰ろう?ね?一緒に帰ろう?」
「…、……」

相葉ちゃんの言葉に
にのの目がキョロっと動いた。
お!と思って3人で興味津々に眺めていたら…

「にの、帰ろう?うちおいで?」

にのはやっと、コクリと頭を縦に振った。

「ふふ…ん、おいで」
「………」
「…よしよし♪」
「………」

まだ俯いたままのにのを
相葉ちゃんはひょいっと
膝の上に乗せてぎゅうっと抱きしめた。

「ごめんね?」
「…まさきがわるい…」
「うん、ごめん」
「…きらい…」
「や、それはだめ」

こんな子供みたいなにのを見るのは珍しい。

「ごめんね、俺が悪かったね。にの、なんか変だったから、気にしてたらにのちゃんばっかりになっちゃったの。ごめんね?」
「…ほっとけ…ばぁか…」
「ほっとけないんだもん。だから一緒に帰ろうね?」
「…ちゅ、…」
「、…ふふ。ごめんごめん」

相葉ちゃん、分かってたんだ。

にのは一瞬むくっと顔を上げて
ちゅっ、とキスをするとまた
相葉ちゃんの首筋に顔を埋めた。

「あ、キスした…」
「…ね」
「相葉ちゃん、早く連れて帰ってあげな」
「うん。にの、立てる?帰ろうね」
「…ん、」

「じゃあ、バイバイみんな♪」
「…おつかれさまでした」

「「「お疲れさま~」」」

「で、なんだったの?」
「さあ?」
「にの、今日腰痛かったみたいだよ」
「え?聞いてない…」
「俺も聞いてはないけど。見てたら分かるでしょ、かばって動いてた。」
「マジか…」
「心細かったんじゃん?俺らにも言えないで」
「言えばいいのに…」
「まぁ…昔からそういうとこあるよ」
「まぁね…」

よく見てる松潤。

相葉ちゃんも異変には
気付いてたのか。恋人だもんな。

それにしても…にの可愛いなぁ。
なんちゃって。


END

/ 25ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp