第9章 甘い刺激 ★
「じゅん食べないの?」
「んー。食べる。」
「俺もう食べちゃったから先帰っていい?」
「……えー…そんな寂しいこという?」
「…ふふ…甘えん坊」
「ん、待ってて?」
「んー」
コンサート終わり。
今日は中日だから、楽屋で
ご飯を食べてからホテルに戻る。
二宮はさっさとスエットに着替え
食べ始めていた。
仕事終わりの行動が早い。
松本は何か気になったのか
ステージの台本を見直していた。
少しピリッとした雰囲気を
感じたメンバーはそっとしていたが
こういう時に話しかけるのは
いつも二宮だった。
二宮も多少気を遣って
話しかけはするが、
松本は二宮の姿を見ると
ふっと纏う雰囲気を変える。
立ち上がると二宮の首筋に
手を当てて頬にチュッとキスをし、
ご飯を食べに向かった。
雅「にのちゃん帰んない?」
和「んー、後にする」
雅「んー?ああ。じゃあお先ねー」
智「相葉ちゃん!俺も乗る」
雅「うん、帰ろー。お疲れー」
「「お疲れー」」
相葉と大野は先にホテルに戻った。
松本が食べているそばで
二宮は携帯をいじっている。
潤「うまー」
和「んー。」
潤「ん。」
和「ん?いいよ、食べたから」
潤「んー…」
和「じゅんくんが遅いからでしょ?」
潤「だって…」
和「…なんかあった?気になること」
潤「んー…」
和「…あれ動かなかったのはただ抜けてただけだって」
潤「あんな何人もでやることみんな忘れんの?」
和「そういうこともあるでしょ、人なんだから」
潤「かずが気づいてなかったら大変だったよ?」
和「気づいて、ちゃんと間に合ったんだからいいじゃん。なんにもなかったでしょ」
潤「…んー」
和「それ?気になってたの」
潤「それも。」
和「じゃあそれはなし。」
潤「…んー。」
話を聞くのは二宮の役割。
そして宥めるのも二宮の仕事だ。
松本は二宮に反論もするが
結局丸め込まれる。
分かっているが、納得はしている。
潤「…今日かずの部屋で寝る」
和「そうなの?疲れてんじゃないの」
潤「癒してよ?」
和「…いいよ?」
少し挑発するように松本は
二宮の顎をクイッと持ち上げたが
二宮はまったく怯むことなく
″いいよ″と、にっと笑って応えた。