第8章 恋人始めました
「……ん…なに…」
眠っていた二宮。
気配を感じ、片目を少し開けると
自分の上には恋人が乗っかっていた。
「…ちゅ、」
「ン…どしたの…」
唇が近づいてきて二宮は目を閉じた。
「はむ…」
「んッ…な、によ、」
「…すごい仲良しだったね」
「だれと…」
唇を離すと、首筋に顔を埋めた上の人。
二宮は顔を背けてその人の頭を押し返した。
「みた、ぴたんこ…」
「…きょうだったのか…」
寝起きの二宮は眩しそうに眠そうに
片手のひらで両目を覆った。
「ねぇ…」
「なに…妬いたの…?ねむぃおれ…」
「おなかみえてたよ?」
ペラっとめくれていた二宮の
シャツの中にスーッと手を入れて
胸まで指を伸ばす…
「やっ、…ちょっ!と!!…やめろ…」
「うー…」
「…ふぁあ……」
二宮は服の上から手を掴んで押さえる。
あくびをして眠たそうな目からは
つーっときれいに涙が流れ落ちた。
「泣いたの?」
「…ん…?ねむぃだけ…」
「ぎゅー…」
「んー…よしよし…」
「すき。」
「んー」
また寝息を立て始めた二宮。
恋人を抱きしめてさっきより幸せそうだ。
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「……あれ…じゅんく…」
次に目を覚ました二宮が見たのは
自分に抱きつき、
気持ちよさそうに眠る恋人の姿。
「えー…んー……いたっけ…ゆめ…?いや…いるしな…」
「…ん…?」
「あ…おきた…」
「にのー」
「んー…うでまくらして」
「ふふ…いいよ」
二宮は少し下に身体をずらして
のばされた腕に頭を乗せた。