第6章 不幸中の幸い
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「ただいまぁ…ぉ、いいにおい…」
「お帰り!ごめん、今忙しい!」
「ふふっ…」
ドアを開けるといいにおいがした。
まぁ多分、なんか作ってくれてるとは
思ってたけどねー。
急なのに、割とすごい料理が
出てくるのはいつものこと。
「ただいま。何作ってんの?」
「お帰り!ふふ…ハンバーグ」
「おー」
「絶対美味いよ。目玉焼きいる?デミグラスかけるけど」
「うん。ありがと」
「もうできるから、風呂はいってきて!俺もう先にいただいた」
「はーい」
全然怒った様子もなく
むしろ楽しそう。良かった~
「…おー、すごいじゃん」
「美味そうでしょ♪腹減ってる?」
「ぺこぺこです」
「ふふ…写真撮ろっ」
「美味しそうに撮って~」
「んー……うんうん。かず食べていいよ。」
「いただきまーす」
「…どう?」
「………んっまい…めっちゃうまい…」
「ふふ!やったね~♪」
「もぅ…じゅんくん天才。好き。」
「ぉお…作って良かった」
「うん♪」
「ふふ…見て、いいの撮れた」
「んー、さすが、美味そうに食べますね」
「嬉しい♪自慢しよーっと」
「先に食べなよ」
撮られ慣れてるって怖いよね。
カシャカシャ言ってても
普通に食べたり飲んだりしちゃう。
それがプライベートだとなんか
小っ恥ずかしい写真になったりして。
「あ、翔くん1番♪」
「もう送ったの?」
「うん、かずの美味しーの顔」
「なんだって?」
「ハンバーグの写真も送ったの。″店みたいじゃん!にの幸せそー!″だって」
「…幸せですよー」
「ふふ♪仕事入れられて良かったね?」
「結果的にね?疲れたけど」
「お疲れさま。あとで癒して差し上げますよ」
「…こわいな」
「ふふふ!あー、美味い。俺ハンバーグ得意料理だわ」
「かずくんのおかげですねぇ」
「間違いなくね~」
「ふふ…いつもありがとね。」
「こちらこそ。ありがとう。かず、好きだよ」
「ん…ありがと!」
こんな、幸いが大きく上回る
不幸中の幸いもないだろうな~。
明日マネージャーに珈琲奢ってやろうかな。
end