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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第4章 死神編【前編】



真っ黒な死覇装に腕を通す。長く伸びた髪を赤い髪紐で結わう。己の斬魄刀を腰に差す。遂にゆうりは死神になった。入学した頃と比べて背は高くなり、胸も随分発達し顔立ちも幼さが抜け美人という言葉がまさに相応しくなっていた。現世であれば、恐らく18歳前後程に見えるだろう。
元々の志望通り四番隊へ入隊し、尚且つ五席という地位を与えられたゆうりは、今日も卯ノ花の元で回道と、その他の細かな治療を習っていた。破道や縛道と違い治癒系の回道は霊力の使い方が根本的に異なり難しい。

「卯ノ花隊長、書類の整理終わりました。」

「ありがとうございます。相変わらず早いですね。」

「頭を使うのは比較的得意ですから!お茶でも入れましょうか?」

「えぇ、お願いします。」

執務机に向かう卯ノ花の元へ訪れたゆうりは給湯室で彼女専用の湯呑に茶を注いだ。お盆に乗せ湯気の立つ内に執務机に置くと筆を持っていた手を止め、ゆうりを見る。

「貴方に幾つか渡してきて欲しい書類が有るのですが良いですか?」

「勿論です。どちらにお持ちしましょう?」

「この封筒を六番隊の隊長に、それからこれを十番隊の隊長へ持って行って下さい。必ず隊長へ渡すのですよ。」

「分かりました。それでは行ってきます。」

六番隊といえば…白哉だ。死神になってから仕事が忙しくて逢いに行く間も無かったっけ。十番隊は…志波一心さん、だったかな。海燕さんのご兄弟か何かだろうか…?
そんな事を考えながらまずは近くの六番隊へと足を運ぶ。隊舎へ入り、執務室手前まで辿り着くと外から声を掛けてみる。

「四番隊第五席、染谷です。朽木隊長はいらっしゃいますでしょうか?」

「……入れ。」

中から声が聞こえた。酷く懐かしい声にも感じたが昔よりずっと大人びていて、尚且つ落ち着いているように聞こえる。久方ぶりに顔を合わせる事に緊張しながら襖を開く。彼は静かに執務机に向かい、筆を滑らせていた。
ゆうりが中に入ると手を止め、顔を上げる。最後に見た時よりも更に美しく成長した彼女に朽木は俄に瞠目したがそれ以外特に表情の変化もなく筆を置く。ゆうりは襖を閉じ、彼の机へ歩み寄った。

「久しいな。ゆうり。」
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