第13章 破面編(前編)
「…な、……。」
「ん……ふ、っ……。」
ぎこちない動きで舌が唇を撫でる。薄く開いて自分のを差し出してみれば、たどたどしくその表面をぺろぺろと舐め、遠慮がちに先端へ吸い付く。普段自分から口付ける事が無いが故に、リードの仕方もてんで分からないのだろう。それが自分を誘う為、必死になっているのかと思えば堪らなくソソられる。ゾクゾクと背筋が震える。
あぁ、ほんまにこの子は小悪魔みたいな子ぉやな。狡いのはどっちや。
「…オネダリさせたろと思うとったけど、ボクが辛抱ならんわ。」
「ふふ……私の勝ちね。」
あーあ、勝ち誇った顔したって。今から声枯れるまで鳴かせたろかな。
そんな事を考えながら、彼女の体躯を抱き上げて寝具に寝かす。真っ白な衣服を彩る帯に手を掛けて下衣の全てを降ろし足首から抜き去り、己も帯を解いて肌着ごと袴を脱ぎ捨てる。
猛り立ち先走りがとろりと滴るソレをゆうりの秘部に押し付け、数度往復させて愛液を纏わせる。それだけでピク、と身体が震える彼女を意地悪い瞳が見つめた。
「なんや、擦り付けられるだけで気持ち良くなるん?随分変態さんになってもうたなぁ。」
「ッ…うるさ…い…!早く来て…!」
「はいはい、ッ……中あっつ…。」
「ん、あ……ぁあっ!」
指よりも太く硬い熱の塊がズッ、と一気に奥深くまで押し進められる。子宮口を潰しそうな質量に腰が仰け反りはくはくと唇を開閉させた。初めて行為に及んだ時は今よりも苦しそうだったが、今はそれは無いようでただ快感に蕩けた表情と震える身体は愛おしくもあり妬ましくも有る。それほど彼女はこの行為に慣れてしまったという事なのだから。
ボクが誰よりも先に好きやと、娶りたいと言うたのに難儀な事や。
そんな事を考えながら、ベッドシーツを掴む彼女の両手に自分のを重ねる。
「はっ……ギン…?」
「手ぇ、シーツやのうてボクに捕まってや。」
「っ……。」
「なんでこっちの方が照れはるの?」
「別に照れてな…ひっ、ん!!」