第13章 破面編(前編)

平子は陰茎の先端を秘所へとあてがい、ゆうりの細い腰をがっちりと掴む。それから一気に腰を進め、根元まで挿入した。内側の襞を擦り上げ熱い塊が子宮口をノックする。息が出来なくなりそうな程の快感に瞳に涙が滲む。

「あぁッ！やッ…真子、の…おっき…！」

「締め付けんなや、力抜き…！」

キュンキュンと内壁が搾り取るように性器を締め付ける。好きな女と繋がっているその事実と、生肌の心地良さは直ぐに絶頂へと導かれそうな位興奮を煽り立てる。

「ひ、あ…！気持ち良すぎて、無理ぃっ…。」

「せやから、煽る事言うなって…！」

ずるりと先端まで引き抜き、また奥深くまで突き上げる。陰嚢が肌に当たり乾いた音と、互いの体液が混ざり合う水音がいやらしく室内に響いた。大きくピストンを繰り返しながら、両手で胸を掴みしだけば彼女の声は一層大きくなる。

「ひぁッ、あんッ！」

「ゆうりの中、めっちゃ熱くて気持ちえぇわ…！」

「もっとぉ、奥まできて、真子…！」

「ッ…、ほんまやらしなったなァ…！」

細い腕が彼の背中に回され身を寄せる。腰を押し付ける度彼女の胸が胸板に押し付けられ、汗の滑りを借りて擦れるのが気持良い。
グチグチと音を立て、互いの体液を撒き散らしながら何度もピストンを繰り返す。角度を変え、奥までねじ込みぐりぐりと腰を縦に揺らしたりして刺激してやれば、ゆうりの声は甘く切なく上がる。

「ハァッ、も…無理…！」

「は…っ、オレも出そ…。」

「中はダメッ…外に出して…！」

「嫌や。」

いっそオレの子供孕んだったらえぇやん。したら何処にも行けなくなるやろ。こないに長い時間会えんのは、もう嫌やねん。むしろむっちゃ我慢した方やと思わん？
平子は意地悪く口角を吊り上げ、腰を大きくスライドさせ先端で子宮をトントン、と叩く。見上げた彼の表情に本気で中に出すつもりだと悟り焦って胸板を押し返す。しかし力の籠らない掌で拒めど意味を成さず、寧ろ弱過ぎる拒絶は加虐心を煽るだけだった。

「ん、やぁッ、ダメ、やだぁ…！」

「好きやで、ゆうり…！」

「ッ！ひッ…あ、んんん！！」

「はっ…！」

耳元に唇が寄せられたかと思うと低く掠れた声が囁く。ぎゅっ、と心臓が潰されるような、甘酸っぱい感覚に顔に熱が集中する。とても狡い男だと思った。