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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第12章 五番隊隊長就任編



なんの事かと眉を顰める檜佐木に松本は事のあらましを話した。彼は顎に手を添え何かを考えるようにして俯く。不思議に思った松本がそんな彼の顔を覗き込んだ。

「何、どうしたの?」

「…元に戻るんですよね?ゆうりは。」

「まぁ阿近の事だし大丈夫でしょ。なーに、やっぱりいつものゆうりがいいわけ?ちっちゃいのも可愛かったわよ〜?」

「そりゃそうでしょうけど…いつものゆうりの方がエロくて好きです。」

「アンタそれゆうりが聞いたら絶対距離置かれるからね。」

真顔で呟いた檜佐木に松本は表情を引き攣らせ1歩後退りした。それに気付いた彼はハッと顔を上げ慌てて両手を振る。

「違……いや、違わねぇけど……兎に角、俺も手伝いますよ。」

「助かるわぁ!じゃあ後はよろしく!」

「えっ、一緒に探さないんですか!?」

「あたしは他にも協力者居ないか探すから♡」

あ、これは面倒くさくなってんな。
口には出さないが察した檜佐木はそれ以上何も言わず松本と別れゆうりの捜索を始めるのだった。
それから陽は沈み時刻は夕刻頃。十二番隊隊舎に引きこもっていた阿近は漸く完成した薬の試験管にコルクで蓋をし一息つく。これでゆうりを元に戻す事が出来る。

「おう阿近、薬できたのか?」

「まぁな…ってお前ら何で現世じゃなくて瀞霊廷の監視してんだ。サボってんじゃねーぞ。」

声を掛けてきたのは鵯州だ。彼の他にもモニター前には隊長、副隊長を除く面々が集まっており楽しそうに画面を見ている。一体何がそんなに面白いのかと阿近も彼らの後ろから覗き込んだ。そして目に映る光景に、咥えていた煙草がポロリと落ちる。

「…おい、何だこれ。」

「鬼事だとよ。お前がガキにしちまったゆうりと朽木隊長が逃げ回ってて、他の隊長や隊士達が総出で追い掛けてる。」

「虫取り網持ってる人も居る…何を捕まえる気なんでしょう…。」

「冗談だろ。」

見ていぬ間に、随分大事になってしまったらしい。顬が心做しか痛み、右手の人差し指で抑え瞼を落とした。十番隊に任せたのは間違いだったか…。

「直ぐに朽木隊長に地獄蝶を飛ばせ。戻す準備が出来たから、ゆうりを十二番隊に連れて来てくれって。」

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