第12章 五番隊隊長就任編
戦争が終わった翌日。現世へ帰って行く一護達を見送った後も、とても慌ただしい時間が過ぎていく。何せ瀞霊廷の各所が戦闘により壊れ、どこの隊もその修復に追われているのだ。しかしどれだけ忙しくとも隊首会は行われる。特に今回に関しては隊長だけでなく副隊長も集められていた。
時間が迫るに連れて各隊の隊長・副隊長格の面々は一番隊へゾロゾロと向かう。
「このバタバタしてる時でも隊首会ってやるんですねぇ。というか何であたし達副隊長まで招集されてるんですかぁ?」
「俺が知るわけねェだろ。それよりさっさと終わらせてウチの隊舎も直さねぇと仕事になりゃしねェ。」
「八番隊も、隊舎前で佐渡くんと戦ったからもうボロボロだよ。七緒ちゃんがテキパキ指示してくれるから多少マシにはなったけど修復にはまだまだ時間掛かりそうで困った困った。」
「何が困ったですか!京楽隊長は屋根上から見てただけでしょう!」
「京楽……。」
「ち、違うよ七緒ちゃん。ボクはどんな具合に進んでるか一番見晴らしのいい場所から見ていただけで…。」
「あたしも上から見てるだけにしようかしら。」
「松本…俺が許すと思うのか?」
「いいじゃないですか、隊舎の修復なんて力仕事やですもん!」
「給料貰ってんだろうが、働け!」
日番谷、松本、京楽、伊勢の4人は話しながら隊首会室の扉を潜った。どうやら彼らが最後だったらしい。室内には既に他の隊の面々が揃っており今日は浮竹もそこに居る。中心に山本、両サイドに隊長、副隊長が整列しており日番谷達もその列に加わった。当然三番隊、五番隊、九番隊の隊長格は未だ空席のままである。
「うむ……これで一応は全員揃うたな。では始めようかのう。まず染谷ゆうりの処遇について話すとしよう。」
「本人が居ないのに良いんですか?先生。」
「無論、本人は呼んでおる。遅れておるようじゃがな。」
「すみません!遅れましたー!!」
丁度扉の外から少し気の抜けた声が聞こえて来た。部屋に集まっていた全員がそちらへ顔を向ける。走ってここまで来たのか柔らかく靡く黒い死覇装と真っ白な羽織の間から白緑が覗く。その場に居た隊長・副隊長の内数名の目が見開いた。昨日話を聞いていた京楽はへらりと笑いゆうりの羽織を指差す。