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【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第11章 尸魂界潜入編



「一護達、大丈夫かな…皆霊圧は消えていないし、死んではないと思うけど…。」

ゆうりはたった一人、瀞霊廷の屋根上を歩きながら廷内の様子を伺った。死神たちは慌ただしく走り回り、旅禍達を探し回って居る。霊圧を遮断する外套、それに鬼道を練り込み背景と上手く同化してみせた彼女が彼らに見つかる事は無く、悠々としていた。

「書庫に向かうのも久しぶりね…藍染とはち合わない様に気を付けないと。」

霊圧探査を研ぎ澄まし、各隊長と副隊長の居るであろう大凡の位置を探る。今自分の一番近くに居るのは…吉良イヅルだ。傍に市丸は居ない。…隊長と副隊長が別行動をしているのか…?他の隊は概ね隊長、副隊長がそばに居るのに。
藍染の霊圧は感じられなかった。霊圧を閉じているのか…それとも、探査の届かないような場所に居るのだろうか。
何処か嫌な予感を感じつつも、時間を無駄にしまいと急ぎ書庫へと足を運んだ。
旅禍の侵入が有るせいか、書庫には当然誰も居ない。いつもより閑散としており、更に広々と感じる中ゆうりは室内を見渡し目的の書籍を捜す。

「えーと……あ、この辺りかな。」

瀞霊廷内の法律に関わる棚から適当な本を一冊取り出しパラパラと捲る。索引からルキアの犯した罪、"人間への力の譲渡"と"長期滞在"に関しての資料探す。指で文字をなぞり、普通与えられるであろう処罰に関して辿る。

「……やっぱり、力の譲渡と長期滞在で死刑になる事はまず無いわね…。罰を決めるのは中央四十六室だし…藍染は彼らも懐柔しているの…?」

「あれ〜?ここに居ると思ったんだけどなぁ…読み違えちゃったかな?」

もしそうなのだとしたら、既に尸魂界は藍染の手に堕ちてると言っても過言では無いのだが。顎に手を添え思考を巡らせる。所持していた本を閉じ、別の本へ手を伸ばし今度は処刑方法に関して探った。処刑のやり方は随分多岐に渡っているようで、ルキアがどの方法で咎められるのかが分からない。そもそも彼女に関しては処置が特例なのだから尚更だ。
どうしたものかと考えていた最中、不意に自分以外の声が書庫内へ響き渡った。ゆうりは直ぐにハッと顔を上げ、聞こえて来た方へ顔を向ける。

「…隊長、相手は旅禍ですよ。こんな場所に来るとは思えませんが…。」
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