• テキストサイズ

【R18】月夜に咲く華【BLEACH】

第10章 尸魂界突入編



「さ!あと一息!がんばるぞーーっ!」

「お疲れ。」

「ひゃあう!!!」

自分1人しか居ないと思っていたその時、不意に頬へひんやりとした何かが触れた。飛び上がる程驚きの声を上げる井上に、声を掛けた一護も驚き水の入った湯呑みを持って一歩後ずさる。一緒に様子を見に来たゆうりはそんな2人に笑った。

「くくくく、黒崎くんっ!?ゆうりちゃん!」

「わ…悪い。そんなビックリすると思わなかった…。そ…そろそろ中で休んだ方がいいんじゃねぇか?」

「え…い、いいよ!だってまだ途中だし…。」

「でもオマエ…ずーっとそれにかかりっきりじゃねーか。」

「こ…こっちの人治すのってちょっと勝手が違ってさ!でもホラ!あとちょっとだし!」

「あとちょっとってどのぐらいだよ?」

「え…えっと…5時間!」

「サッカー3試合分じゃねぇか。倒れるぞオマエ。」

「私が代わるよ。織姫は中で休んでて。夜一さんが今後の事を話したいって言ってたし。」

「えっ、でもそれならゆうりちゃんも中にいた方が…。」

「先に話聞いておいたから大丈夫!ここまで頑張ってくれてありがとう、織姫。後は任せて。」

「そっか……。うん、それじゃあよろしくね!」

少しばかり渋ったようにも見えたが、井上は笑って答え一護と共に長老の家へと向かっていった。多分、最後までやり遂げたかったのだろう。しかしルキアの命が掛かっているため、そう時間も体力も使ってはいられない。
その場に残ったゆうりは両手の掌を兕丹坊の傷口へ向けた。淡く黄色い、大きな光が包み込む。

「織姫が進めてくれたから、かなり楽に終わりそうね。」

回帰能力では無く、回道を用いて霊力をあててやるとみるみる傷が修復していく。この様子ならばそう時間も掛からないだろうと思っていると、どこか遠くから何かが駆ける音が聞こえて来た。音のする方へ顔を向けると、猪に乗った人間がこちらへ向かって来る。

「え…何あれ…?流魂街の暴走族か何か…?」

「ギャーーーー!!」

部屋の扉の前で急ブレーキを掛けた猪。反動で上に乗っていた人間は、扉を突き破り部屋へ投げ捨てられた。突如現れた謎の人物にゆうりはキョトンと目を丸めたが、治療中故様子を見に行く事は出来ない。それに何かヤバい人物だったとしても今室内には一護達がいる。特に心配は無いだろう。
/ 648ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp