第5章 死神編【中編】
「ガキ扱いすんな!」
真っ白な髪を犬でも撫でるかの様にわしわし撫でると彼は不満げな声を上げる。しかしそれももう慣れてしまったものでゆうりはケラケラ笑って日番谷へ手を振った。
「修兵、ほたるちゃん、青鹿くん、実習はどうだった?」
「…正直、緊張した。またあの時みてぇに虚が侵入して来たら、って考えちまう。」
「私も…警戒しちゃったかも。」
「斬魄刀は常に触れてたな…何が起こっても対応出来るように。」
「そっか…。トラウマ克服って難しいね…。」
「いや、むしろ何でお前はケロッとしてるんだよ。1番被害受けただろ。」
「さっきも話したじゃん。過去の出来事に恐怖してたらそれ以上強くなれないって海燕さんが教えてくれたから。それに味方を信じてるから怖いことは無い。私に何かあった時、きっと3人とも助けてくれるでしょ?」
さも当然とでも言うかのように屈託のない笑顔を3人に向けると彼らは立ち止まり瞬きを繰り返した。蟹沢はすぐ様ゆうりへ飛び付き檜佐木は呆れ気味に肩を竦め、青鹿は腕を組み大きく頷く。
「当たり前だよ!!」
「当然だ。」
「仲間だもんな!」
「よし、今日は飲んで帰ろー!」
「いいね、それぞれの昇進祝いも兼ねて!檜佐木くんの奢りで!」
「いやなんでだよ。」
「おっ、いいな。じゃあさっさと報告書提出しに行こうぜ。」
4人は教員室へ向かう。その後向かった居酒屋で酔い潰れ、揃って次の日遅刻したのはまた別のお話。
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