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恋に落ちて 〜織田信長〜

第72章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜



「だがあの男、毛利元就はまだ貴様を諦めてはおらんようだな。貴様が俺から離れれば一石二鳥とばかりに貴様を攫っていくつもりなのだろう」


「毛利元就が………?」

あの辛くて忌まわしい事件が頭を掠めて、体がブルッと震えた。

「二度も貴様に近づき、そして今回もまた間接的とは言え貴様に近づいて来た。もうあの男に情けなどは無用だ。次の戦で毛利を潰して天下を統一する」
 
怯える私の体を強く抱きしめて、信長様が低く唸るように呟いた。

「必ず無事に帰って来て下さいね」

「誰に言ってる?俺は死なん」


襦袢を着せ終えた信長様は私を褥へと再び寝かせて上から私を見つめた。

「貴様に近づく者は誰であろうと許さん。俺は貴様にそれだけ溺れていると言う事をこの胸によく刻んでおけ」

「はい。…うう…本当にごめんなさい」

「泣くな。貴様に泣かれると弱い事を知っているだろう」

色々な思いが溢れ出した私の涙を信長様の指が拭い、瞼に口づけを落とす。

「だが俺を仕置きとは……貴様も言うようになったな」

「うぅ…本当にごめんなさい」

信長様がクックっと笑ってくれていることが救いだ。何度間違えても軌道修正をしてくれて私をもっと信長様に夢中にさせてしまう。本当に大きくて、すごい人だ。


「アヤ」  

短いキスが落ちた。

「俺は、貴様の肌に直接触れるものに家紋など入れぬ」

「え?……ん、」


信長様は着せ終えたばかりの襦袢の袷を開いて、ちゅぅーっと、私の胸に一つ痕をつけた。

「っ……」

「俺ならば襦袢ではなく、直接貴様に俺の痕を付ける。俺だけができる貴様だけの特権だ」

ニヤッと俺様な笑みが私を射抜く。

「本当に、参りました。私…、どうしようもなく信長様が好きでたまりません」

両腕を伸ばして信長様に抱きついた。

「信長様、お誕生日おめでとうございます。ご無事にお帰りになられて良かった」


家紋は御家のもの。でも、信長様自身が刻み付けるものは私のこの体にだけ。ものすごい独占欲と愛情を向けられて、嬉しくないはずがない。


「話は終わりだ。久しぶりの貴様を堪能させろ」

「……っ、はい」

散々お仕置きを受けた体は熱いままで、ドキドキと高鳴る胸を抑え信長様を見つめていると、信長様は自身の着物を脱ぎ去り鍛えられた体を私の体に被せた。



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