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恋に落ちて 〜織田信長〜

第72章 夫婦の絆〜信長様誕生日sp〜



(女の人の正体が毛利の密偵ってどう言うことっ!?)

思いもよらない展開に呆然としていると、信長様がニヤリと口角を上げて私を見た。


「光秀より連絡があってな。どうやら毛利の密偵が貴様に近づいたと……」

「えっ、光秀さんっ?」
(さっきはそんなこと一言も……!)

「俺の首は一度斬られると生えてはこないのでな。お前の事が心配で心配で、御館様に報告したまでだ」

(絶対嘘だっ!心配している人はそんな楽しそうに口角は上げないっ!)


「どうした アヤ、顔色が悪くなったようだが?」

光秀さん以上にニヤリとした信長様が私の顔を覗き込んだ。

(最初から全部分かってたんだ!)

「御館様、この女如何いたしましょう?」

「地下牢に放り込んでおけ。どうやら俺は今から仕置きを受けねばならんらしいからな。忙しい」

「ほぅ、それはそれは、穏やかではありませんな」

(いやっ、違うのっ!光秀さん助けて、さっきの状況をもっとちゃんと信長様に説明してっ!)

喉を鳴らして笑う光秀さんにジェスチャーでヘルプを伝えるも、光秀さんは楽しそーに口角を上げて私を見るのみ。


「もっと鍛えてやるって言っただろ?」

そして恐ろしい捨てゼリフを残して女の人と共に去って行ってしまった。

(鍛えてやるって……、それお断りしましたよねーーっ!!)


ああ私…やってしまった……?


「アヤ」

ガシッと、力強い腕が私を背後から捕らえた。

「貴様…俺に何をすると言っておった?」

「え、えっと……お誕生日会…だったかな?」

「ふっ、違うな。貴様は確か俺に、仕置きを受けろと、そう言っておった」

「き、聞き間違いでは……」

もういつ襲われてもおかしくない状況で、信長様は嬉々と目を輝かせて私と視線を絡める。


「おい、貴様っ!」

「はいっ!」

信長様は近くにいた女中さんに声をかけた。

「子供達を連れて行け。暫くは人払いをしろっ!」

「はっ!」

女中さんは子どもを連れて素早く部屋から出て行った。

(まっ待って私も連れてって……!)

女中さんに伸ばした手は逞しい腕にしっかりと捕まれ阻まれた。

「アヤ、貴様の仕置きとくと受けてやる。だが返り討ちに合わんよう気をつけるんだな」


万事休す!
果たして、仕置きを受けるのはどっち!?



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