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恋に落ちて 〜織田信長〜

第69章 私の育った故郷では 〜信長様誕生日sp〜



そして数日が経ち……

もともと吉法師を妊娠していた時も、あまり悪阻らしい悪阻のなかった私は、どうやら今回も大した事はなさそうで。あの日一日休養を取れたこともあり、すっかり回復して仕立てた着物を納めに城下へと来ていた。



「アヤさん」

「ん?佐助君?」

聞き慣れた呼び声に、私は確かめる前に名前を呼びながら振り返る。

「アヤさん久しぶり。元気そうだね」

やはり佐助君が堂々と城下の真ん中に立っていた。


「佐助君も元気だった?ほんと久しぶりだね」

前はよく天井裏から会いに来てくれたけど、今は停戦中と言うこともあって、かなり堂々と白昼の城下に会いに来てくれる。


「今日はどうしたの?」

そして、用がなく佐助君が私に会いにくる事はまずなくて…

「アヤさん、聞いてほしいことがあるんだ」

真剣な表情の佐助君に、嫌な考えがよぎる。

「もしかして、ワ」

「いや、ワームホールは当分現れないから安心して」

私の言葉を待たず、佐助君は懸念を取り払ってくれた。

けど、

「じゃあ、聞いてほしいことって…」

(あれ?なんだかこのやり取り…前にもしなかった?)

確か佐助君は神妙な面持ちで、こう言うんだ。

「アヤさん、この先何があっても俺の事を嫌いにならないでほしい」

(やっぱり!)


「佐助君、もしかして珍しいまきびしが落ちてて拾った先に信長様がいて何か聞かれた?」

「どうしてそれを!」

(いや、ほら、あの裸にエプロンの時と同じパターンだから…)


「…っ、詳しくは話せないけど、俺は君が喜ぶと思ったから......決して困らせようと思ったわけじゃないんだって事、分かって欲しい」

(いや、メチャクチャ困ったから!)

「何を、聞かれたの?」

「ごめんアヤさん。これ以上は俺の口からは、でも俺はいつでも君の味方だって事忘れないで。ではこれにてごめん」

「ちょっ、佐助君!」

手を伸ばして引き止めようとするよりも先に、ドロンと佐助君は消えてしまった。


「…っ、これは、デジャヴ?」

まるで二年前と同じ様なやり取りを前に、やはり今年の信長様の誕生日も、エロ襦袢と、とてつもなくエロい催しが待っているのだと予感させる。


信長様が京から戻られるのも、お誕生日も四日後。



どうなる、私!?



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