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恋に落ちて 〜織田信長〜

第66章 全てはあなたを喜ばせるため 〜信長誕生日sp〜



「でもそんなんじゃ、私、ダメ人間になっちゃいます」

これ以上ダメダメになったら、本当に捨てられてしまう。


「それで良い。俺なしではいられないダメな女になれと、いつもそう言っておる」

私の危機感に構う事なく、信長様は更に甘やかす言葉をくれる。


「うー、そうやって信長様が甘やかすから私は.......ううっ」

信長様の優しさに感動して、やっぱり涙が出た。

「貴様の泣き虫は出会った頃からちっとも変わらんな」

「ううっ、だって〜」


「そろそろ泣き止んで大きく息をしろ」

「?」

言われるままに大きく深呼吸をした。

「ふっ、上出来だ」

「んっ、」

ニッと笑う顔はあっという間に近づいて、再び私の唇を奪った。
呼吸を奪うほどの深く甘く長い口づけに、私の不安もめそめそした気持ちも溶かされて行く。

信長様がいないとダメな女になんて、とっくになってると、口づけをされながら思った。


「貴様の涙は堪える。どんな時も笑っていろ」

「っ、はい」


「おい吉法師、貴様はちょっと付き合え」

信長様は私を腕から降ろすと、今度は泣き喚く吉法師を抱き上げた。

「ど、どこに連れて行くんですか?」

「俺の女を困らせ泣かせた罪は重い。奴とは少し話をしてくる」

「話って....」

「男同士の話に女は無用だ。暫し出掛ける。貴様はそれまでにその途中の仕事を終わらせるが良い」

「えっ、良いんですか?」

もう、無理だと思って諦めてたけど...

「ふっ、どうせやるなと言っても貴様は聞かんであろう?それよりも早く終わらせて笑顔を見せろ。俺はこやつと出かけてくる」

「っ、ありがとうございます」
 
「よし、吉法師行くぞ」

「だぁああーーー」

(あ、.....)

いつの間にか、吉法師は信長様の腕の中でご機嫌に笑っている。

「ああ、そっかぁ〜」

子は、親の心を写す鏡だ。(使い方違うかも?)
私のイライラが吉法師にも伝わって機嫌が悪くなってたんだ。

だから、広くて大きくて深い愛情と心を持った信長様に抱っこされて、さっきの私みたいに安心できてる。


でも、男同士の話って、一体何を話すんだろう?

話を盗み聞いてみたい衝動に駆られながらもその気持ちをグッと抑え、私は無事に信長様の浴衣を完成させ、夜を迎える事ができた。


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