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恋に落ちて 〜織田信長〜

第63章 妻に望むもの〜信長様誕生日sp〜




明日は信長様の誕生日。

結婚もして、子供もお腹にいると言うのに、私は信長様の誕生日をお祝いした事がない。


と言うのも、この時代に飛ばされたのは、三月も終わりに近い時で、私たちの出会いはお世辞にも素敵なものではなかった。


本能寺で信長様の命を偶然助けた私はそのまま信長様に安土へと連れてこられ、その日のうちに抱かれてしまった。


そこから信長様と心を通わせ合うまでにはふた
月以上の月日が流れ、恋仲となったのは雨香る6月に入った頃。気付けば信長様の誕生日は過ぎてしまっていた。


次こそはと意気込んでいたけど、ワームホールに飲み込まれ現代へと飛ばされ、記憶喪失のまま一年が経ち戻ったのはもうすぐ12月になろうと言う時で、またしてもお祝いできず。


こうして迎えた明日、やっと信長様の誕生日を祝う事ができる。


ただ、........今、信長様は中国攻めに行っていて、まだ戻ってはいない。

春に一度出征して、その一月後に一度戻られたけど、状況が一変したとの知らせを受け、一週間ほどですぐにまた行ってしまい、今に至る。


けれど、2日前に届いた文では、今日には一度戻ると書いてあった為、念願のお誕生日を祝う事ができる事にかなりワクワクしている。


とりあえず、誕生日前日の今日は、戦で疲れて戻ってきた信長様がゆっくりと休めるように、少し恥ずかしいけど一緒に湯浴みをして、悪阻もないし体調もいいから、久しぶりの二人きりの時間を過ごしたい。起きている間に日付をまたげたのなら、心を込めてお誕生日おめでとうを言うつもり。もちろん意識がはっきりしていればの話だけど.........


そして次の日は、朝餉から頑張って作って食べてもらおうと思ってるし、夜には誕生日らしく甘味を作る予定。
プレゼントは戦さ場でも少しはリラックスできるように小袖を縫ったから、それを渡したい。

本来なら、信長様の誕生日だし武将のみんなと祝いたかったけど、秀吉さんと三成君は戦地に残ったままだから、二人のいない会は信長様も望まないような気がして、だから二人で静かにお祝いできればと思ってる。

この予定だって、信長様が帰城早々忙しいのなら変更になるのだけど。


でも、誕生日の日に会えるだけでも嬉しいから、とりあえず用意だけはしようと、買い物へ城下へと来た。


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