第8章 安土の休日
「明日は一日休みを取った。貴様のしたい事を言え」
布団の中で、甘い余韻に浸っていると、信長様が言った。
「したい事?」
信長様の要求はいつも急で返答に困るけど......
「んーっと、あっ、あります!」
「何だ」
「デートがしたいです!」
「でえと?」
聞き慣れない言葉に、信長様は顔をしかめる。
「えっと、恋人同士になった二人が、一緒に城下町を歩いたり、お買い物したり、美味しいものを食べたり、んーっと、とにかく、一緒に外で一日を過ごす事です」
「そんな事が貴様は楽しいのか?」
「はいっ!あっ、でも難しいですよね。2人で居られるならデートじゃなくても、お城でも嬉しいです」
(そうだよね。信長様に庶民デートなんて無理だよね)
「いや、その でえと とやらで良い。もっと詳しく教えろ」
予想外の答えにビックリしながらも、私はデートについて大まかに信長様に説明をして朝を迎えた。