第6章 覚醒〜信長編〜
視察先では、地方の豪族や大名達が、毎晩の様に女を充てがって来た。
戯れに一晩、相手をしてやろうと閨に呼びつけたが、体が反応しない。
髪が、肌が、匂いが、声が違う。
目の前の女も中々の女だったが、アヤから香る媚薬の様な甘ったるい匂いや、指に絡めておきたいほどに柔らかい髪。吸い付く様に柔らかくて白い肌。
俺は、気がつけばこんなにもアヤに溺れている。
貴様に言えば、一体どんな反応をするのか、半ば楽しみで帰城をした。
面白い事に、変化はアヤにもあった。
はにかむ様に俺を見たり、口づけを必死で受け止め、物欲しそうな顔をしたり、睨む代わりに俺の頭を撫でたりと。
思いに気づけば簡単なほどに、抱き方も変わった。
口づけが止まらない。
唇を合わせ、どれ程呼吸を奪っても、キリがない。足りない。
しかし、アヤは途中で泣き出した。
「何を泣いておる」
「のっ、信長様はずるいっ........っく、嫌だって言っても、無理やりしたり、かっ、勝手に男の人との関係を....っく、疑って、酷いことしたり......っ、今みたいに急に優しくなったり......っく、ぜっ全然....わか..んない....私を....っく、何だとおもっ...でるんですか......っ」
子供みたいに泣きじゃくるアヤ。
貴様も気づいていないのか。
ならば、貴様にも気付かせてやる。
「アヤ、言っても分からんなら、貴様の体で教えてやる」
こんなに女を大切に抱いた事は無かったが、アヤの全てに触れられずにはいられない程に、その夜は溺れる様にアヤを抱いた。