第6章 覚醒〜信長編〜
夜になり、アヤを天主へと呼び出した。
アヤは、襖を開けたが近づかず、部屋の隅に座った。
やましい気持ちがあるのではないかと、更に苛立った。
「どうした、こっちへ来て酌をせよ」
苛立ちを隠し、アヤを呼ぶ。
たった数日会っていないだけだったが、触れたい衝動に駆られる。
アヤは俺の隣に腰を下ろし、徳利を持って酌をする。
俺はそれをくいっと飲み干した。
「貴様も飲むか?」
「あっ、私はお酒は飲めないので」
「そうであったな」
俺を拒んでいる様な気になり、ふと、酔わせてやりたくなった。
徳利を奪い、そのまま口に含むと、強引に頭を強く引き寄せて、無理やり酒を注ぎ込んだ。
「んーっ」
アヤはごくん。と、酒を飲み込んだ。
「ゴホッ、ゴホッ、何するんですか!」
むせながらも俺を睨む。
(まだ、足りん)
再度酒を口に含み飲ませる。
「んんっ......」
(貴様は俺の物だ)
「んっ......くるしっ......信長.....様?」
俺の胸を押して離れようとするアヤ。そんなやわな力でどうにかなると思っておるのか。
苛立ちがついに言葉となって出る。
「男と、会っておるそうだな」
「はぁ、はぁ......えっ?」
「ここ連日、必死で着物を仕立てて会いに行っておると、報告があった」
「なんで、知って......あっ!」
何か思い当たることがある様にアヤの顔色が変わった。
「私に、見張りを付けたんですか?」
「ふんっ、貴様はいつ逃げ出すか分からんからな」
「ひどいっ!どうしてそんな事......んっ」
(それ以上、喋るな)
言葉を途中で遮って口づける。
「やっ、ん...........やだ..んっ」
強引に舌を割り入れ呼吸を奪う。
「アヤ、貴様もとんだ悪女だな」
「はぁ、はぁ、な....に言って」
涙目になりながらもアヤは目を逸らさない。