第50章 初めての夜
信長様にプロポーズされた日からさらに五日が経ち、私たちは安土城が見える所まで戻ってきた。
当初、五日の予定だった私たちの旅は、信長様が新婚旅行に行くぞと言って(この話もしたらしい)、信長様が今まで過ごしてきたお城を見て回ったり、海を見に行ったり、夜は宿で愛を確かめ合い、溺れる様に体を重ねたりと、中々に濃密な時間を過ごした。
安土のみんなに何の連絡も入れず旅を続け三日経った夜、信長様は間諜から一通の手紙を受け取った。
「よくここが分かったな」と、信長様は愉快そうに呟きながらその手紙に目を通した。
そこには、〈早く帰って来て下さい〉と怒りを露わにした秀吉さんの文字が...............
ヒィ〜と私はなったけど、
「構わん。どうせ怒られるなら明日も明後日も同じだ」
と、信長様はしれっと言って、もう一泊温泉宿に泊まって、私達は安土へと戻ってきた。