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恋に落ちて 〜織田信長〜

第47章 岐阜へ



次に目が覚めた時、既に山道は抜けていて、今夜泊まる宿へとすぐ到着した。



「岐阜城までは、まだかかるんですか?」

今夜泊まる部屋に入り、目的地まで後どれ位なのかが気になった。

「いや、もうすぐそこだ」

「なのに宿に泊まるんですか?お城の皆さんは、信長様を待っているんじゃ」

昨日だって、結局は小谷城に泊まったし、みんな何やかんやと、信長様とお酒を酌み交わしたいんじゃないかな。

「この旅は別に城の視察のためではない。貴様とゆっくり過ごすためだ。奴等は待たせておけばいい」

こー言うとこ、本当に殿様って感じだな。
生まれた時から上に立つ者として育ってきた信長様にとって、家臣が自分を待つと言うのは当たり前の事なんだ。

「それに、この宿には温泉がある」

ニッと笑顔を作ると、荷ほどきをする私の手を掴んで抱き寄せた。

「わっ、信長様っ、まだ荷物が」

「構わん、そんな事は宿の者にさせよ。山道で身体が冷えた。湯で温まるぞ」

さっきまで、散々馬上で密着してたけど、それとこれとは別で....

「やっ、ここ宿ですよ、他にも沢山人が泊まっているのに無理です」

お城はいつも人払いされてるし、信長様専用の湯殿だから、気兼ねなくその、できるけど...


「心配ない。今夜は俺たちだけだ」

「えっ?」

今なんて?

「閑散期で誰も泊まってないって事ですか?」

「いや、秀吉が貸切にしている筈だ」

「なっ、なっ、何で!?」

このお宿、立派で大きな宿だけど、貸切なの?

「どこの誰とも分からん奴と一緒に泊まらせる訳にはいかんと、秀吉が言っておったし、貴様の声を聞かせる訳にはいかんからな」

最初の理由は理解できる。大切な主君を危険な目に合わせるわけにはいかないよね。

「でも、声って....」

秀吉さんがそんな気遣いを?本当なら恥ずかしすぎるよ〜

「ふっ、貴様の声は大きいからな」

「誰のせいだと....っあ」

わざと弱い耳を甘噛みして、袷に手を入れて胸の蕾を立たせる様にクニクニと摘んできた。

「んっ...あっ.....」

私がどうすれば声を出すのかなんて、信長様には簡単な事だ。ほんの少し触れられただけで、体は簡単に熱を上げる。

「このまま湯浴みに行くぞ」

もう、抵抗することもなく抱き抱えられ、私は湯殿へと連れられて行った。


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