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恋に落ちて 〜織田信長〜

第47章 岐阜へ




結局、壁やら畳やら褥やらで散々抱かれたその日の朝、普段は痛くならない背中まで軽い筋肉痛のような痛みを抱え、掠れた声でお市達と朝餉を食べた。


ご飯の後、今後の事で話があると言って、信長様と浅井家家臣達は広間で話し合いを始め、私はお市と茶々と三人で中庭へとやってきた。




「ふふっ、派手に抱かれたみたいね」

信長様によく似た顔で、お市がからかうように、私の首元の痕をちょんとつついて笑った。


(もー、だから見えるとこにはやめて欲しいのに)

「うー、恥ずかしいから言わないで。人様のお城でこんな事」

身体中が一気に熱くなる。


「あら、いいじゃない。好き合った男女が求め合うのは自然な事でしょ?場所なんて関係ないわ」

そーいうとこ、やっぱり兄妹だな、信長様と同じ感覚を持ってる。

「そうだけど....やっぱり恥ずかしい」

「クスッ、アヤのそう言う所が堪らないんでしょうね。兄様は」

そう言って、テトテトと庭を危なっかしく歩く茶々を愛おしそうに見つめるお市。

「次は岐阜城ですって?」

「うん。信長様が以前住んでたお城だって教えてくれた」

「懐かしいな。私も一時期住んでたから、あっじゃあ、月華院様にもお会いになるの?」


「月華院....様?」
それは、初めて聞く名前。


「岐阜まで行くのなら、きっとお会いになると思うし、知っておいたほうがいいと思うから言うわね。月華院様は、兄様の許嫁だった方よ」

「許嫁?」
心の準備なく、いきなり飛び出したワードにカウンターパンチを食らったみたいに衝撃が走った。



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