第46章 二人の時間
愛おしさがこみ上げる。
「ふっ、んっ、信長様、もっと」
こんなに激しくされているのに、もっとして欲しいと心が叫ぶ。
ちゅ、ちゅく、と唾液を絡ませ舌を吸われる。お互いの吐息と作り出される水音が、繋がっていることを感じさせてくれ、更なる大きな音を求めて角度を変えては舌を絡ませる。
私をたくさん感じて欲しい。もう離れないと分かるまで、たくさん抱きしめて感じて欲しい。
「くっ、アヤ」
腰を落とし、更に深く突き上げるように抽送は続く。
「あっ、っのぶながさま、はっ、ん、好き」
もう、腕を上げる力は残ってないけど、近くにある、片方の手を取って指を絡めた。
「俺も、貴様を愛している、っく、出すぞアヤ」
絡めた指にぎゅっと力を入れ律動を早めた信長様は、その想いと一緒に私の体の中に熱いものを放った。
「はぁ、はぁ、何も言わず、はぁ、勝手にいなくなってごめんなさい。はぁ」
呼吸を整えながら、私の胸の上で少し荒い呼吸をする信長様の頭を撫でる。
「大好きです。信長様」
宥めるように、チュっと軽く信長様のおデコにキスをした。
「ふんっ、まぁ宿までの移動時間がなくなった分、貴様を存分に抱けると思えば、これも悪くない」
えっ?
立ち上がり、私を抱き上げると褥へと降ろし、その上に覆い被さってきた
「夜はこれからだ。貴様も反省したようだし。たっぷり可愛がってやる」
既に元気に主張するそれを私にあてて、信長様はニヤリと笑った。
「いや、あの、もう充分激しめに可愛がっていただいたと思うのですが......」
機嫌が直ってる!?
「遠慮するな、もっとと強請ったのは貴様だ」
「やっ、それは、感情の流れと言うか.....んぁっ、あああぁん」
さっきより大きくなってる!!
「っ、悦びすぎだ、力を抜け」
あぁ本当にその切り替えの早さ、一年前と変わらない。
しんみりした気持ちと気遣いを返して欲しい。
「もう、むりぃ、あぁっ」
願わくば、明日の朝、声が枯れていませんように。
せめて普通の声で、お市にお礼を言って去りたい。
「もっと声を聞かせろアヤ」
多分無理かも....
「ああああぁぁっ.....」
散々啼かされ結局声は枯れてしまったけど、
今夜も一つ、お互いを理解し合えた?はずの私たちでした。