第5章 覚醒
佐助君が会いにきてくれてから、ちょうど一週間が経った。
今日は予定だと、信長様が視察を終え帰城される日だ。
あの日から、気がつくと信長様の事を考えていた気がする。
会ったら聞きたい事が沢山あるけど、どうやって聞けばいいのか、そこで考えがいつも止まってしまっていた。
「アヤ様、間もなく信長様がお戻りになられます。広間までお越し下さいませ。」
襖越しに、女中さんが声をかけてくれた。
「あっ、はい。すぐ行きます」
ドクンと心臓が音を立てる。
緊張するな。
広間までの廊下をドキドキしながら歩く。
広間に到着すると、他の人たちは既に集まっていて、私は一番末席に腰を下ろした。