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恋に落ちて 〜織田信長〜

第38章 当たり前の日々



「.........................」

信長様の指示通り、夕餉は天主へと運ばれた。

だけと、

「ウナギの味噌焼きに、肝吸い..........」

思わず声に出して夕食のメニューを唱えてしまった。

確かに、可奈さんは私の体調のために栄養価の高いものを出すと言っていたけど...このメニューどう考えても...


「どうしたアヤ」

信長様の顔は私の考えている事がわかってるって感じにニヤニヤしている。

「何でもありません」

これから夜を共に過ごす恋人達を後押しするために用意されたみたいなメニューとは絶対に言えない!そんなこと言ったら、喜んでしまって寝させてもらえないどころの騒ぎでは済まなくなる。

「くっ、当主思いの女中達に感謝せねばな」

だから、違うんだってば!

「っ、これは、女中頭の可奈さんが体力の衰えた私の体を気遣って、用意してくれたもので、そういう意味ではありません」

そういえば、信長様は気づいているんだろうか。私に生理が来てないこと。

「ふんっ、意図などどちらでも良い。精力をつけた貴様を、今夜は心置きなく抱ける事には変わりない」

ちっがーーう!!

そんな簡単に精力つかないし。

信長様の体力に付き合ってたらいつか骨だけになってしまうんではないだろうか。

あぁ、生理があろうがなかろうが、信長様はきっと気にしない。そう言う人だ。

第一、シーツチェックの話を聞いたばかりで、今夜は気になってそんなに酔いしれることができるのかも疑問だ。



「そんなには無理.......です」

ささやかな抵抗のつもりで、小さな声で呟いた。

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