第37章 都合のいい女
今日は、仕上がった着物を呉服屋に納めに城下町へと来ている。
ここ最近の信長様は優しくて(ご機嫌で?)城下へ出ることも気持ちよく了承してくれているから、割と頻繁に来ることができている。
だから、私の気も緩みっぱなしで、結構寄り道しちゃってるのだ。
今日仕立てたものを届けに来た呉服店は最近できたばかりの新店で、あまり足を踏み入れたことのない場所ということもあり、好奇心が駆り立てられる。
仕立て物を早々に届け終わり、周りを探検するかのように城下を歩いていると、周りの景気が少しづつ変わり始め、いわゆる遊女屋のような店が立ち並ぶ通りへと出てしまった。