第36章 男のつきあい
その理由はわかっている。
その宴の席に、艶やかな女の人たちが呼ばれるからだ。
分かってる。
分かってるよ?
この時代は、と言うかいつの時代も?男の人たちは付き合いってのがあるし、羽目を外したい時がきっとあるって事。
でも........言いたい。
現代にいた時も思ったけど、男の人はお姉ちゃんのいるお店に行ってもしれっとしてるけど、私がもしホストクラブ行ったら怒るでしょ?えっ?とか言うでしょ?
信長様だって、私が他の男の人に項垂れたりしたら絶対に怒ると思うの。
過去にも、勝手に浮気の疑いをかけられて、ひどく抱かれた挙句外出禁止にされた事だってあった。
そりゃあ付き合いだし、他の人々への労いの一つだろうし、これを楽しみにして頑張ってる人だっているに違いない。信長様はみんなの上に立つ者として、様々なニーズに応えて士気を高めていかなければいけない事も分かってるけど.....
でも、ただ一緒にお酒を飲むお酌の相手だとしても(お持ち帰りする人もいるけど)他の人が信長様を触るのはいやなんだもん。
こんなんで私、正室の方が来た時大丈夫なんだろうか。
一応、頭の中では割り切れているつもり。ご正室になられる方は、信長様の天下布武に無くてはならない必要なお方で、これからの織田家を支えてくれる人。私では何もできない事をこのご正室になられる方は出来るのだから。
でも、それ以外の女の人は嫌なの。わがままだって、何様なんだって思うけど、今はまだ私だけを見ていて欲しい。限りある二人の時間を過ごしたい。
なのに!
「わりぃなアヤ。今夜はお前は同席できない」
今夜も宴があると聞いて広間へ向かうと、襖の前で待ち伏せしていた政宗に入室禁止を言い渡された。