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恋に落ちて 〜織田信長〜

第34章 悲しみの先



「アヤ朝だ、起きろ」


アヤを抱き続けて三度目の朝が来た。


「んっ.........」

一糸纏わぬ姿で、アヤは眠りから目を覚ました。


「朝餉だ、残さず食え」
起き上がったアヤの前に朝餉の膳を置く



「..............あの、その前に何か着る物を」
布団にくるまり頭だけを出してアヤが着るものを要求してきた。


「どうせ食べたらすぐに脱ぐ事になる、そのまま食べよ」


「っ、裸でご飯を食べる人なんていません、いじわる!」

顔を赤くして俺を睨みつけるアヤ

少し、らしさが戻ってきた。

仕方なく、昨夜掃き取って投げたアヤの着物を手に取り渡してやる。


「ありがとうございます............................あの........」


「何だ」

「着替えたいので、あっち向いててもらえますか?」


「は?それ以上のものをこの二日間見続けておるのに何を隠す」


「わーっ、それ以上言わないでくださいっ!」

片手をぶんぶんと振りながらアヤが恥ずかしそうに投げた着物でその体を隠す。

やっと、声色も明るくなってきた。

「早くしろ」

外の方を向いてやり着替えをさせてやる。

ごそごそとアヤの動く音がして、慌てて着替えているのかと思うと笑いがこみ上げた。




「着替え終わりました。ありがとうございます」



膳を挟んで向かい合って座り、朝餉を食べる。


「あの、お仕事は大丈夫なんですか?その、秀吉さんに怒られたりとか」


「心配せずとも、貴様が気を失っている間に仕事はしておる」


「......っ、あっ、そう...なんですね」


一瞬で林檎の様にアヤの顔が赤く染まった。


この二日間、アヤが起きている時間は、飯を食うか俺に抱かれるかで、アヤは俺が仕事をしていないのではないかと心配になったのだろう。


騒動があって、丸二日何も食べなかったアヤの体力はかなり落ちていて、抱いている最中も、気をやる前に意識を失う事が何度かあった為、飯→抱く→眠らせる(休憩させる)→起きる→飯 を一日に何度か繰り返させて体力を取り戻させた。




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