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恋に落ちて 〜織田信長〜

第25章 秀吉のぼやき③



後日、
全ての予定が決まり、アヤに予定表を渡そうと、針子部屋へと向かった。

「アヤ、入るぞ」
声をかけながら、襖を開ける。

少し入って、いつもアヤが縫い物をしている場所を見ると、

「信長様っ!おいででしたか」

信長様の姿が!

針子作業中に寝てしまったらしいアヤの頭を、胡座をかいた自身の膝の上に乗せて見つめる信長様がいた。

「信長様、こちらにおいででしたか。例の行儀見習いの予定が出来ましたので、アヤに渡そうと思いまして」

「俺が預かっておく」
手を伸ばす信長様に予定表を渡した。

信長様は一通りその予定表に目を通すと、

「ふんっ、貴様も大変だな」

そう言って、渡した紙を懐へとしまい込んだ。

「早く行け、アヤが起きる。こんな時位は寝かせてやりたい」

しっしっ、っと俺に手で出て行けと合図をする信長様。
(寝かせてやりたいなら、夜の営みを程々にして差し上げては)と思ったが、アヤを見つめるその目が余りにも優しく、頭を撫でるその手が壊れものに触れるみたいに慎重で、男ながらに感動してしまって、俺は黙って部屋を出た。



アヤを正室にするのが先か、信長様の天下統一が先か。ともかく俺の目標はこの二つになった。



絶対に叶えてやる!








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