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恋に落ちて 〜織田信長〜

第20章 交換条件



外出禁止となって一週間が過ぎた。

針子仕事と、女中さん達のお手伝いをする事は許されてるけど、仕立物を届けたりなどの外出は禁止で、やっぱり外に行けないととても退屈。当分外出禁止って、いつまでなんだろう。

試しに、禁止三日目にもういいか聞いてみたけど、「貴様は阿呆か」と言われ、五日目に聞いた時には「もう一度聞いたら、一生城から出してやらん」と言われて、もう聞けなくなってしまった。

信長様はあの日以来、以前にも増して私を手元に置きたがるようになって、このままだと戦にも連れて行かれるんじゃないかと思うくらいだ。
でも、今朝から行っている城下の視察には連れて行ってくれない。うーイジワルだ。

今日はもう、仕立ての仕事も、お掃除も全部終わってしまったから、シンを部屋から連れ出して、中庭に出てきて遊ぶ。広い庭とは言え、見慣れてしまってはやっぱり気持ちがのらない。

「わーん。お外に行きたいよー」
ゴロゴロとシンと戯れながら芝の上に転がり叫んでいると、

「プッ...」
誰かの吹き出す声が聞こえた。

「ん?」

「庭でゴロゴロなんて、どんな姫なわけ?」
黄色の羽織が揺らめいて、家康が寝転がる私を覗き込んだ。

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