第17章 安土の休日② 〜湯浴み・褥編〜
湖からお城へと帰ってきた。
砂浜で砂だらけになったシンを信長様と一緒に洗ってあげて、お部屋へと連れて行く。
「また明日ねシン」
シンは疲れたのか、置かれた座布団の上にうずくまってお休みモードに入った。
「アイツのせいで水浸しだな」
洗われるのを嫌がるシンを信長様が押さえてくれてたから、私よりも水しぶきを浴びてベタベタになってる。
「風邪をひくといけないので、先に湯浴みに行って下さい。私はその後で入りますので」
政宗の用意してくれた重箱も洗いたかったし、何気なく言って、行こうとすると、
「待て、アヤ」
腕を掴まれ止められた。
「信長様?」
「貴様の時間は終わりだ」
「分かってます。だから洗い物とかお片づけをしようと思って」
「夜は、文句は言わせんと言ったはずだ」
ジリジリと壁際に追い詰められながら顔が近づいてくる。
「っまだ、夕方ですよ。それに夕餉もまだだし」
迫力にのみ込まれないよう、なるべく目を合わせずに話す。
「片付けは女中にさせろ。夕餉は天主に運ばせる。誰にも文句は言わせん」
ツーっと指で着物の襟をなぞり、おデコに唇があてられた。